秋の七草とは何の野草なのか?
秋の七草の簡単な語呂合わせの覚え方、時期と風習をまとめてみました。
旧暦で1月7日には、七草をいれたお粥を食べるという風習がありますね。
実際に野草をとりにいくのは困難ですが、スーパーなどで手に入ります。
有名なのは、正月明けのこの春の七草ですが、秋にも「秋の七草」と
呼ばれるものが存在します。秋の七草にはどんな風習があるのでしょう?
<秋の七草とは>
春の七草と違って、特に何かをするという風習はありません。
あとから七草の名前を挙げますが、食せるものはごく少数です。
春は七草粥がありますが、秋は食べるのではなくあくまで
「観賞用」という扱いが強いです。
山上憶良という人が、万葉集に秋の七草について記したのが
由来とされています。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り 七種の花 萩の花 尾花葛花
撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」
万葉集の解読からも、食べる目的ではなく、花を見て楽しむ、
という考え方が主流だったようです。
<秋の七草の種類>
・はぎ(萩)
6~10月あたりに開花。
山野でみられ、萩といえば山萩を指すことが多い。
秋の九月頃が見ごろで、赤紫の花を咲かせる。
秋の十五夜のお供えしたり、薬として活用されたりする。
・すすき(尾花)
十五夜のおそなえとして欠かせないもの。
収穫物と一緒に備えられるが、悪霊から収穫物を守ったり、
翌年の豊作を願う意味がある。
・くず(葛花)
生命力が強く周囲をつるで覆ってしまうほど。
濃いピンクの花を咲かせる。
・なでしこ(撫子)
6月ころから見られる。
わが子をなでるように可愛い花であることからその名がつけられた。
名前の通りかわいらしいピンク色の花を咲かせる。
・おみなえし(女郎花)
7月頃から開花。
黄色い花を咲かせる。
山野でよく見られる。
・ふじばかま(藤袴)
10月頃から薄いピンク色の花を多く咲かせる。
花の色が藤のような色で、花弁の形が袴に似ていることから
この名がつけられた。
・ききょう(朝貌)
紫色の花を咲かせる。
開花時期は6月~8月にかけて。
薬としての効果もある。
<秋の七草の覚え方>
春の七草の覚え方と同様、秋の七草にも覚えやすいよう
語呂合わせが考えられています。
簡単なのはこの2つ
「おすきなふくは(お好きな服は?)」
「おおきなはかまはく(大きな袴穿く)」
七草の頭文字が文章になった形です。
<秋の七草は食べられるの?>
春の七草とは違い、秋の七草にはお粥など普通に食べるのは
無理がある野草たちです。
食用としてではなく、薬としてなら活用することができます。
たとえばススキには解熱作用があります。
なでしこには高血圧に効果があります。
食べるというよりは目で見て楽しむのが秋の七草です。