「中居正広の金曜日のスマたちへ」で、南海キャンディーズ・山崎静代さんが、年齢制限のため参加できない次のリオデジャネイロ開催のオリンピックを目指し、今でもボクシングを続ける知らざれる本当の理由、胸に秘めた感動の思いが放送されました。

しずちゃんのボクシングトレーナー梅津正彦（４４）さんと、二人三脚で命をかけて夢を追う２人の理由とは？

しずちゃんのトレーナーとの出会いは、NHKドラマ「乙女のパンチ」で女子ボクサー役を演じることになり、その時に指導にあたったのが、名トレーナーの梅津正彦さんでした。

しずちゃんが梅津さんの元で本気でボクシングを習い始めた頃、女子ボクシングがロンドンオリンピックの公式種目に決まる。目指すべき運命だと思い、目標とすることに。

性格的にボクシングに不向きなしずちゃん、それでも諦めずに食らいついてくる、本気のやる気に心打たれた梅津トレーナーが、本気で指導を始める。全国のボクシングジムに足を運び、練習を積む。

２人を努力と成長を知った全日本アマチュア連盟が、初めて理解を示し、しずちゃんがオリンピック強化選手発表に選ばれる。

２人に試練が訪れる‥

インドネシアに渡り、世界レベルの選手と練習漬けの最中、突然しずちゃんが倒れる。病院に運ばれ、命を取り留めたが、それでもオリンピックを目指してまさに命がけの練習をやり続けた。

日本選手権目前に、梅津にもショックな試練が襲う。メラノーマという皮膚がんを発祥、すぐに手術を受けないと危険な状態と医師に知らされる。梅津の出した結論は、手術を受けると日本選手権にでれないので、手術時期を遅らせてもらうということ。

大切な家族にがんの告知、妻に話し、手術を遅らせることも、笑顔で承知してもらう。４歳の息子には「パパちょっと病気になったんだ。でも絶対に病気になんて負けないから」と報告。

命がけの練習を積んで臨んだ世界選手権、試合結果は、しずちゃんがみごと判定勝ちする。ロンドンオリンピックへの道が繋がった瞬間。

そして２人が固い絆で結ばれた瞬間。

梅津は6時間にも及ぶガン切除手術を受ける。術後の厳しい状態の中でも、しずちゃんを思い、練習についてのメールを送り続ける。

しずちゃんも、トレーナーの気持ちに答えようと、厳しい練習をやり続ける。

世界選手権まで２ヶ月、マスコミを呼んでの公開練習中、しずちゃんに異変が起る。過呼吸の症状が現れてしまう。苦しそうにもがくしずちゃん、それでもマスコミはカメラを回し続ける。

常にマスコミに追いかけられ、重度の期待をかけられ、しずちゃんの過呼吸は悪化し、練習もできなくなってしまう。

このころ梅津トレーナーの病状も悪化、ガンは肺にまで転移していた。

梅津さんは、厳しい病状を背負いながらもしずちゃんを自分の母校へ連れて行き、母校の体育館で練習をする。生徒達と笑顔の時間をもうけ、最後には満点の明るい笑顔で校歌を歌ってもらい、しずちゃんは「すごくパワーをもらった」と笑顔を取り戻す。

梅津さんは「マスコミのカメラを怖がるな。カメラの向こうではあの子達が見てるんだと思え」としずちゃんに告げる。しずちゃんは、吹っ切れ、過呼吸の症状も治まっていった。

世界選手権の結果は１６位で敗退という結果で、オリンピックへの挑戦は終わった。

その後しずちゃんは、ボクシングのことを考えずに仕事に没頭。梅津は闘病生活の中、しずちゃんはボクシングをやめるのだろうと病室で感じている日々。

突然お見舞いに現れたしずちゃん、梅津に絵をプレゼントする。裏にメッセージが、書き記されていた。「４年後リオのオリンピックに出場します」

このころ梅津トレーナーは、５年後の生存率１０％、１０年後０％と告げられる。

息子の運動会で子供が１等賞とるのを見学、その夜、計り知れない幸せを感じる。家族と居られる幸せ。何て幸せなんだとうと、俺はコレを分かるためにガンになったのかと思う程だった。

現在の規定では、４年後に３７歳になるしずちゃんは、年齢制限からオリンピックに出場する事はできない。

しずちゃんは、静かに語った。「どれだけ言葉を重ねても足りないくらい、もの凄い大切な人です。これから梅津さんを支えて一緒に生きて行く。絶対生きて行く。梅津さんを喜ばせる為にボクシングをやりたい。」

しずちゃんと梅津トレーナー、共に夢を持ち続けるために、目標を持ってボクシングをやり続ける事を決意。２人の夢はこれからも続いてゆく‥

大切な人との出会い、しずちゃんに取って梅津トレーナーとの出会いは、運命を変える大きなものでしたね。わざわざ自ら辛い世界に挑戦を挑み、どれだけ辛い思いをしてもやり続ける強い意志、普段のおっとりしたしずちゃんからは、想像もできない強さを感じました。どれだけ辛い世界かを知りながら、大切な人のためにそこで生きる人生を選択したしずちゃん。中身の輝いている素敵な女性ですね。

そして、梅津トレーナーにとってもしずちゃんとの出会いは運命的。今まで一生懸命生きてきた人生を狂わせるがんの告知、どれだけの思いだったか想像もできません。小さな息子と家族にとっても、想像もつかないほど辛い現実でしょう。強いしずちゃんの思いは、梅津さんの人生に奇跡を起こし続けています。そしてみんなの思いを受け止め、大切な人たちのために、病気と強く戦い続ける梅津トレーナーの姿、感銘しました。